The 禅

アート・オブ・インクワイアリー(探求の実践)

現実とTrue Nature(本質)

インナーワークのすべての技法や方法は、True Nature(真の自然)と呼ぶところの本質が経験すること、その認識に由来しています。ここで言う本質とは、インナーワークを行う際に、私たちが触れて、体現するために学んで行く現実のことです。多くの技法は、スピリチュアルな旅の過程で生じる本質の、特定の経験に基づいて作られてきました。大切な教えのほとんどは、客観的現実そのものの特徴や性質を体験するという、現実の具現化の状態から得られた理解を直接反映した方法を取っています。このような実現に基づいた方法だけが、他の人にその実現をもたらすことができるのです。(Spacecruiser Inquiry by Almaasより)

客観的な現実とは?

本質とは、自分自身の内側にあるもの。そしてすべてのものが内包する自然のエッセンスです。それは無形でありながら、すべての形の基礎となるものです。アルマースはこの本の中で水に喩えてわかりやすく解説してくれています。『H₂Oの基本的な素の化合物は、氷、雪、雨、水蒸気や霧として顕在化することができる。これらすべての本質が水であることを認識することは、それらの共通の本質を認識するために、異なる顕現や形態を超えて見ることだ。同様に、True Natureは私たちの生来の本質で、私たちはそれを知覚することができるが、それは私たちが何のベールや歪みもなく経験したときにのみ可能である特定の型を介して見たときにのみ可能だ。』

従来の日常的な現実においては、私たちの無意識の偏見や条件付けが私たちの知覚を歪めて、制限しています。そのために私たちは最も基本的なものを見ることができません。通常、私たちは物事の外観を見て、それが現実の全体であると考えます。その一方で私たちが見ているすべてのものの本質を見落としているのです。

『それは、氷の本質を、冷凍庫のトレイの中の小さな立方体の形だと信じているようなものだ。私たちは、生命が取る多くの形態は本質的に異なっており、分離されており、その性質はその物理的性質によって定義されていると信じている。だが、私たちがベールなしで見るとき、私たちは、存在全体が一つの真の性質、つまり共通の本質的な基盤を持っていることを経験する。そうなると、もはや外見と真の性質の間に区別を見つけることはできまない。ここに客観的な現実ーー存在のすべてがその真の状態で、その真の性質から切り離すことができないーーが知覚されている。』

自己実現の旅では、日常の経験の中で見慣れた形と本質を区別することを学ぶことが重要だとアルマースは言います。私が学んできたインクワイアリーの手法は、まさにその明らかな違いを体験的に学ばせてくれるものでした。

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現実の五つの特質

私たちの本性・本質は、存在感、即時性の質、今ここに在るという感覚です。それをBeingと呼ぶこともできます。というのも、本質は、今ここにいるという現行する時間の直接的な経験の中に存在しているからです。

『その実存の最も純粋な経験が本質であり、本質とは「実存」の絶対的な純粋さと言える。本質が実存であることを認識するとき、この実存は、私たちが様々な方法で私たちの存在性にアプローチすることができる多くの特性を持っていることを知る。それぞれのスピリチュアルな方法は、それらの特性を反映していると見ることができる。現在に存在することの実践は、現実の根源的な性質としての存在の認識から生まれた方法だ。プレゼンスの実践を取り入れたインクワイアリー(探求)の実践は、真の本質の他の性質をも反映している。』ーーBy Almaas

===========以下、本文からの引用を要約したものです=============

1. Awereness(覚醒・目覚めていること

第一の質として、真の本質は覚醒と切り離せないーー私たちの本質は、もともと目覚めているのです。つまり、目覚めるというとき、それはPresence(存在)に気づくことではなく、存在そのものであるということです。存在は自己認識の媒体です。

対照的に、通常の経験における”アウェアネス(目覚め)”というのは、主体と客体の二分法によってパターン化されています。その”アウェアネス”は、常に何かに気づいている意識があるということを示しています。そこでは意識が主体であり、何かが客体です。さらに、その意識は一般的に私たちの脳と身体感覚の副産物であると考えられています。私たちはそれを、ある種の衆生に内在する能力であり、それによって指示され、制御され、物理的な現実によって様々な形で制限されていると考える傾向があります。 

2.Oneness/Unity(一体性/統一性)

真の現実の第二の特徴は、この目覚めの領域、この実存の領域は、浸透性があり、無限であり、その中のすべてのものを包含しているということです。事実としてそれは一体性、不可分の統一性です。フィールドの中にいくつかの型があるということが、何か個々のものが存在するということを示すわけではありません。つまり、私たちの経験において、悲しみや圧迫感、温度、柔らかさや硬さがあるということが、バラバラの対象物があるということではないのです。そのフィールドには、異なる場所に異なる型のものが存在していながら、すべて一つの意識であるということです。よって、魂全体も同じように一体化しているのです。

通常の意識では、私たちは憧れ、悲しみ、嫉妬、憎しみなど、分離されたフィーリングを私たちの世界の他の人びとや対象物のために持っている感情として経験しています。

私たちが感じれるということ、対話するものに敏感であるということは、根底にある統一性が私たちの経験の中に現れているということなのです。感じる能力は、究極的には愛の能力に基づいており、そして愛は融合します。ハートの根底にあるのは愛であり、愛は「存在」の統一性の表現です。

3.ダイナミズム/変化/変容

第三の特徴として、本質はダイナミック(生き生きとして活力に満ちている)です。現実は常に動いており、変化しています。これは、あなたの内なる経験、あるいは世界全体の知覚がスナップショットではなく、映画のようであることに気づくときに明らかになります。それは本質的に変化と変容の絶え間ない状態にあります。それは静的な存在ではありません。現実は常に顕在パターンのシフトによって変化している動的な存在です。

実際には、変化の存在は、意識の事実の中で暗黙のうちにあり、意識なしには存在しません。スナップショットだけがあり、観察者がスナップショットの一部である場合、観察者は何の意識も持っていないことになります。意識には変化が必要です。もしあなたがAbsolute(絶対的なもの)だけを意識していて、絶対的なもの以外は何も意識していないならば、あなたは何も意識していないことになります。だからこそ、このような絶対的なものの経験は、Cessation(休止)と呼ばれているのです。

私たちの日常の生活において、私たちは、このダイナミズムを思考や感情、行動の一連の変化と動きとして捉えることになります。そうなると、変化の経験は、創造性と変容によって特徴づけられるのではなく、むしろ原因と結果によるものとなるのです。私たちは、この生き生きした活力であるはずのダイナミズムを単に直線的なものとして見て、時間の経過の中の変化として経験します。

4.Opneness/ Spaciousness(オープンさ / 広大さ

本質のオープンさは、四番目の特質です。 それは、無限の可能性ーー何であることにも、何として現れることにも開いていて、無限の可能性を秘めています。その本質が完全に開かれているからこそ、現実は常に変化しています。これが私たちの存在の宇宙次元です。あなたが真の本質を認識するとき、あなたはそれが広々としていることに気づくでしょう。

宇宙全体は、深い神秘的な無であり、開放性、軽やかさがあると同時に、どのような重苦しさも完全に欠如しています。そして、この非常に神秘的で繊細な広がりは、それに内在する輝きを持っています。この輝きは、私たちが識別の対象として見ている様々な色や形の中に現れます。

真の本質を認識する前に、エッセンスが自分の中に存在することを経験するとき、あなたは、エッセンスとは別の内的な質としての空間の広がりを経験します。あなたは実体のない空虚さとしてその空間を感じるでしょうが、それは軽さとオープンさなのです。そして、エッセンスは実質的な質を持つ存在です。あなたは、空間の中で生じるエッセンスを経験します。客観的な現実の意識の中では、エッセンスと空間は同じものとして認識され、共存しています。ですから、エッセンスとは、広々としていて、気づきがあり、絶えず変容し、創造的である存在なのです。

5.知ること

真性の第五の大きな特徴は、覚醒、一体性、ダイナミズム、オープンさだけでなく、知性であるということです。

存在の意識だけでなく、慈悲や休息といった存在の中の、特定の質の意識も同時に持つことは、知性が本質的な存在に内在しているということです。それは、存在が発生し、別個の意識がそれを慈悲として知っているということではありません。実際には、時々、あなたがよく知らないような質が生じますが、存在自体がそれが何であるかを教えてくれます。多くの人は、例えば、価値の存在のようなものがあることを知りません。しかし、それが生じたときに注意を払えば、「ああ、そうだ、これは価値のように感じる」と認識します。私は価値があると感じ、価値を持っている」と認識します。「存在」は、それに内在する「知性」を持っているのです。

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長い引用文になりましたが、インクワイアリーの手法では、①瞬間ごとに変化する体験に対して開いていること②未知のものに対して意識的でいること③その体験に対して好奇心を持つことを求められますが、その深い意味が上記の文章から感じられると思います。

ワークは2人ないし3人で行われ、一人がインクワイアリーをする探求者、他の人はその探求を手助けするために場をホールドするスペースホルダーという役割を持ちます。

探求は、物事を理解する知性センター、フィーリングを感じる感情センター、そして起きていることを感知する運動センター、これら3つのセンターのすべてを使って行われます。

2日間のコースでは、グルジェフ・ムーブメンツからヒントを得た体の動きを使って思考の働きを見つめることをします。また、ダンスしながら「あるがままの私」を表現するエクササイズもあります。アルマースの言葉を読むと、きっとみなさんは、何か深淵な真理に触れるためのワークを想像されるかもしれませんね。それはその通りなのですが、おそらくみなさんがイメージしていらっしゃるよりもずっと楽しいコースです。ぜひ一度ご参加ください。

アート・オブ・インクワイアリー(オンライン)

日程
2022年1月29日(土)
10~17時半

会場
ZOOMオンライン

アート・オブ・インクワイアリー(ライブ)

日程
2022年3月20・21日(土日)
10~17時半

会場
五反田イズネス

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