たとえば私のように長年人に関わるお仕事をしていると、つねに人に囲まれているので、実はどれだけ「独りぼっち(Lonely)」なのかなんて、考えたこともありませんでした。それに、心理的な課題には積極的に働きかけてきた方ですから、「何かこれ以上見るべきことがあるかしら? いや、ないと思う」ってふうでした。
また瞑想で「独りでいる豊かさ(Aloneness)」を体験してゆくと、内側がどんどん満たされてきて、何も見失っているものがない、いわゆるコンフォートゾーン(心地良さの領域)にとどまるようになります。というか、そこにいたんだってことに気が付いてしまったというか、、、。
数年前に「ダイアモンドロゴス・ティーチングス」というワークに出会ってから、本質のストラクチャー(本質にストラクチャーがあるなって思ってもみなかったです!)の体験学習コースを続けてきているのですが、これほど「私」を再生してくれたワークは他にないです。
純粋な「私」を見守ってゆく
少し前に耳鳴りの症状のことを書きましたが、その後のインクワイアリーで私は、自分の内面にもっと注意深く、耳を傾けてゆくことになったのです。ダイアモンドロゴス・ティーチングスのシニアティーチャーであるエミリオのセッションを受けたことがきっかけですが、私が育ってきた家族の関係性の中で私は、とても早くから自立しなければならなかったことに気づかされたのです。自立と言うよりも孤立と言う方が正しいですね。
私の両親はお商売をしていたのでいつも忙しかったし、仕事が終われば疲れて寝てしまう父、見るからに手一杯の母、おまけに家には父の郷里から見習いに来る若者が数人つねに同居していたんです。私は二人の妹たちと楽しく遊んだ覚えはあるのですが、若いお兄ちゃん達に居場所を占領された感はあったし、それは嬉しいことではなかった。かと言ってどうして良いのかわからないーー根本的なところで、幼い私は何が起きていたのかよくわかっていなかったのだと思います。
いつの日からか無口な子供になり、人からは頼りにされるけれど、自分から誰かを頼った覚えはあまりありません。だんだん孤立して、自から箱の中に閉じこもってしまった幼い私は、そのまま無言を決め込んでいたようです。
先に書いたように、私は何度も心理的課題に取り組んできたので、この部分にも気づきを向けてきたと思っていましたが、今になって思えば、そのときの傷を見ることまではできたけど、またすぐに封印したんだと思うのです。その後、家族の座のワークではさらに癒しも体験しましたが、やっぱり痛みは残していて、、。つまり無意識にまた箱の中に逃げ込んでしまうというのを繰り返していたのだと思います。なぜならそこはあまりにも馴染みがあって、いちばん安心できるスペースだからです。
でも、今回は、ダイアモンドロゴス・ティーチングスで習得してきた数々の体験的理解がサポートとなって、私は自分の傷から逃げずにそこにとどまり続ける力、あるいはリソースを発見することができたのだと思います。それは自分の中にあるんだってはっきりとわかった。そしたら、閉じこもっていた幼い私が目を覚ましたんです。あたかも何事もなかったかのように大きな伸びをして箱から出てきた「私」は、これまでにない力強さを持った純粋な「私」だった。
さて、耳鳴りは紛れもなくこの純粋な私に目を向けるようにというメッセージだったと思います。耳鳴りという症状を治らないと決め込んで長いことほったらかしにしてきましたが、つい先日検査に行き、鼻炎アレルギーが一つの要因かもしれないと聞かされてほんとうに驚きました。自分の無自覚さに驚いたのです。実際に鼻詰まりはあったので先生の説明が肚落ちし、治療に専念することに。
そして、耳鳴りは、、、
今や二種類の音をキャッチしていますが、鼻が通るようになると呼吸の音が聞こえます。今までほとんど意識しなかった呼吸の音が意識上に出現することで、しかも耳鳴りは二種類あることで、意識は広がるのです!!
もし私が以前のように孤独さを封印したままでいたら、きっと「医者も薬も嫌だ! 自然治癒だ!」と息巻いていたと思います。そして耳鳴りに悩み、それを言い訳にして、ますます人びとから遠ざかる方向に行っていたかもしれない。そして惨めさを誤魔化すためにもっと箱を強固にしたんでしょうね。おお、こわい。
この体験はほんとうに貴重でした。多くの西洋人の友だちがコメントしてくれていますが、「日本人はとても孤立しやすいよね?」というのは本当です。そして、気を付けたいことは、私自身がそうであったように、その孤独感を封印して無感覚になってしまうことです。今回このプロセスを通ってきて、そんなふうになって欲しくないなあと心から思います。日本人の繊細さを生かすためにも、孤立から出ても安心なハートの絆を作ってゆきたいです。
親との和解:7つの変容のステップ入門編
物事の本質に気づけるようになって、私は自分のワークも見直すことになりました。そして構築したのが、「親との和解:7つの変容のステップ」です。小さな家族という枠を超えて、自立の道を見出すためのオンラインコースに少しずつ注目が集まって来ています。まずは入門編からどうぞ。